実大型の幻肢を獲得し義手へ投射することで,義手操作性の向上が得られた一例

【目的】義肢が身体の一部であるように感じる身体化が生じると,義肢操作性が向上する可能性が示されている。今回,幻肢を義手に投射することで,身体化に成功した事例を報告する。【対象と方法】対象は短縮した幻肢を有する上腕切断症例である。介入の第1 段階では実大型の幻肢・幻肢の随意運動の獲得,断端の感覚機能の向上を図った。第2 段階にて幻肢を義手に投射し,第3 段階で幻肢をfeedback 機構として利用する介入を実施した。【結果】実大型の幻肢・幻肢の随意運動を獲得し,幻肢を義手に投射することで幻肢をfeedback 機構として利用できるようになり,義手操作性・日常生活動作(Activities of...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 45; no. 5; pp. 325 - 331
Main Authors 平賀, 勇貴, 問田, 純一, 内藤, 卓也, 平川, 善之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 2018
日本理学療法士協会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.11445

Cover

More Information
Summary:【目的】義肢が身体の一部であるように感じる身体化が生じると,義肢操作性が向上する可能性が示されている。今回,幻肢を義手に投射することで,身体化に成功した事例を報告する。【対象と方法】対象は短縮した幻肢を有する上腕切断症例である。介入の第1 段階では実大型の幻肢・幻肢の随意運動の獲得,断端の感覚機能の向上を図った。第2 段階にて幻肢を義手に投射し,第3 段階で幻肢をfeedback 機構として利用する介入を実施した。【結果】実大型の幻肢・幻肢の随意運動を獲得し,幻肢を義手に投射することで幻肢をfeedback 機構として利用できるようになり,義手操作性・日常生活動作(Activities of Daily Living;以下,ADL),生活の質(Quality of Life;以下,QOL)の向上を認めた。【結語】幻肢を義手に投射することで義手操作性・ADL が向上し,QOL の向上を認めた可能性が考えられた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.11445