中学校での歯科検診に口腔内写真とPMA indexを用いた取り組み

われわれは平成5年度から徳島県内の某中学校において学校歯科保健活動に継続的に取り組んでいる.平成8年度からは臨時歯科検診にPMA indexを取り入れ,生徒の歯肉炎の状態を観察してきた.PMA indexの判定では,診査者間のばらつきが危惧されたため,平成16年度までは1名の診査者が判定を行った.平成17年度,われわれはより客観性の高い歯肉炎の評価方法を模索するため,検診時に撮影した39名の被検者の口腔内写真を用いて,5名の評価者によるPMA indexとGO(歯周疾患要観察者)/G(歯周疾患罹患者)の判定を行った.1年後の平成18年度にはPMA indexにおける判定のばらつきを是正するため...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 57; no. 5; pp. 679 - 686
Main Authors 田部, 慎一, 福井, 誠, 横山, 正明, 増田, かなめ, 伊藤, 博夫, 本那, 智昭, 日野出, 大輔, 吉岡, 昌美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2007
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.57.5_679

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Summary:われわれは平成5年度から徳島県内の某中学校において学校歯科保健活動に継続的に取り組んでいる.平成8年度からは臨時歯科検診にPMA indexを取り入れ,生徒の歯肉炎の状態を観察してきた.PMA indexの判定では,診査者間のばらつきが危惧されたため,平成16年度までは1名の診査者が判定を行った.平成17年度,われわれはより客観性の高い歯肉炎の評価方法を模索するため,検診時に撮影した39名の被検者の口腔内写真を用いて,5名の評価者によるPMA indexとGO(歯周疾患要観察者)/G(歯周疾患罹患者)の判定を行った.1年後の平成18年度にはPMA indexにおける判定のばらつきを是正するための補正用媒体(視覚素材)を作成し,同じ5名の評価者がこの媒体を用いてキャリブレーションを実施したのち,同じ口腔内写真に対する2度目の評価を個々に行った.その結果,口腔内写真を用いた判定にはいくつかの問題点があるものの,診査者間のばらつきを補正できる利点が確認された.また,各自の口腔内写真とPMA indexの結果は学校教員による歯科保健指導用教材としても有用であることが示唆された.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.57.5_679