奥山論文に対するEditorial Comment

本症例は, 冠動脈左前下行枝第一対角枝の完全閉塞によるST上昇型急性心筋梗塞発症後6病日に急変し, 原因不明のまま死亡し病理解剖で左室自由壁の心破裂を認めた症例である. さらに, 心膜破裂, 横隔膜破裂も認め, そのために生前の心破裂の診断が不可能であったことも興味深い. 本症例のポイントは, (1)用手胸骨圧迫による合併症と考えられる心膜破裂, 横隔膜破裂は予防できたか, (2)本症例に発症した左室自由壁の心破裂が予測可能であったか, ということである. JRC蘇生ガイドライン2010では, 用手胸骨圧迫は, 5cm以上と定められていた....

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Published inShinzo Vol. 51; no. 12; p. 1317
Main Author 鈴木, 洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.12.2019
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.51.1317

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Summary:本症例は, 冠動脈左前下行枝第一対角枝の完全閉塞によるST上昇型急性心筋梗塞発症後6病日に急変し, 原因不明のまま死亡し病理解剖で左室自由壁の心破裂を認めた症例である. さらに, 心膜破裂, 横隔膜破裂も認め, そのために生前の心破裂の診断が不可能であったことも興味深い. 本症例のポイントは, (1)用手胸骨圧迫による合併症と考えられる心膜破裂, 横隔膜破裂は予防できたか, (2)本症例に発症した左室自由壁の心破裂が予測可能であったか, ということである. JRC蘇生ガイドライン2010では, 用手胸骨圧迫は, 5cm以上と定められていた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.51.1317