臨床製剤の市販化を目指した橋渡し研究─臨床製剤データベースの構築と有用性評価

「目的」 臨床製剤(院内製剤)は, 市販薬のみでは対応が困難な疾患, 症状に対する治療薬として薬剤師により調製されてきた. これまでに開発された臨床製剤の品目数は1500以上と報告されているものの, 同じ製剤にもかかわらず, 施設によっては調製法が異なることや, 製剤を開発した施設のみで使用されている品目など多岐にわたる. 昨今の社会的な背景を鑑み, 臨床製剤を取り巻く環境も劇的に変化してきている. 具体的には, 平成24年に日本病院薬剤師会による「院内製剤の調製及び使用に関する指針」の策定, 平成28年の医療法施行規則に基づく未承認新規医薬品等を用いた医療について厚生労働大臣が定める基準の公...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 139; no. 10; pp. 1293 - 1296
Main Authors 金﨑, 祐哉, 河野, 弥生, 花輪, 剛久, 百, 賢二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.10.2019
日本薬学会
Subjects
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.19-00121-5

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Summary:「目的」 臨床製剤(院内製剤)は, 市販薬のみでは対応が困難な疾患, 症状に対する治療薬として薬剤師により調製されてきた. これまでに開発された臨床製剤の品目数は1500以上と報告されているものの, 同じ製剤にもかかわらず, 施設によっては調製法が異なることや, 製剤を開発した施設のみで使用されている品目など多岐にわたる. 昨今の社会的な背景を鑑み, 臨床製剤を取り巻く環境も劇的に変化してきている. 具体的には, 平成24年に日本病院薬剤師会による「院内製剤の調製及び使用に関する指針」の策定, 平成28年の医療法施行規則に基づく未承認新規医薬品等を用いた医療について厚生労働大臣が定める基準の公開, 平成30年の臨床研究法の施行等であろう. 臨床製剤を臨床で用いる場合, 研究で用いる場合, 日本病院薬剤師会の指針に基づくクラス分類による判断など, 医療機関内で対応が図られているところである.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00121-5