補助人工心臓の適応について

「ポイント」・植込型補助人工心臓は現在3機種保険償還されている ・植込型補助人工心臓の現在の適応は心臓移植へのブリッジ使用である ・心臓移植適応外の症例に対する植込型補助人工心臓治療も開始されようとしている 薬物治療や非薬物治療を駆使しても症状がとれない重症心不全をステージDと呼びますが, この状況で生命予後を改善する方法は2つしかありません. 1つめは心臓移植であり, わが国ではドナー不足のため待機に数年かかります. 2つめは補助人工心臓治療であり, しばしば心臓移植へのブリッジ目的に用いられています. この補助人工心臓治療の概要について以下述べます. 「補助人工心臓の種類」補助人工心臓は多...

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Published inShinzo Vol. 50; no. 9; pp. 1055 - 1058
Main Author 絹川, 弘一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2018
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.50.1055

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Summary:「ポイント」・植込型補助人工心臓は現在3機種保険償還されている ・植込型補助人工心臓の現在の適応は心臓移植へのブリッジ使用である ・心臓移植適応外の症例に対する植込型補助人工心臓治療も開始されようとしている 薬物治療や非薬物治療を駆使しても症状がとれない重症心不全をステージDと呼びますが, この状況で生命予後を改善する方法は2つしかありません. 1つめは心臓移植であり, わが国ではドナー不足のため待機に数年かかります. 2つめは補助人工心臓治療であり, しばしば心臓移植へのブリッジ目的に用いられています. この補助人工心臓治療の概要について以下述べます. 「補助人工心臓の種類」補助人工心臓は多くの場合, 左心機能の低下した重症心不全患者に対して左心室心尖部から脱血してポンプを介して一定量の血液を上行大動脈に送血するシステムで, 植込型と体外設置型があります. 2011年以降日本で保険償還された植込型補助人工心臓を図1にあげました.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.50.1055