薬剤溶出性ステント留置後の手術の危険性
背景:薬剤溶出性ステント留置後の外科手術の危険性は十分知られていない. 方法と結果:2004年8月から2008年8月に当院で施行した入院手術で,薬剤溶出性ステント留置後の症例32症例,40手術を対象とした.年齢は70±8歳で男性が24症例であった.全症例が日本人と在日韓国人であった.26症例がシロリムス溶出性ステント,3症例がパクリタクセル溶出性ステント,3症例で両者が使用されていた.手術は薬剤溶出性ステント留置394±301(6~1,093)日後に施行された.40手術の内訳は8手術が腹部一般外科,7手術が歯科口腔外科,6手術が冠動脈以外の血管内インターベンション治療,4手術が心臓手術,4手術...
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          | Published in | Shinzo Vol. 42; no. 6; pp. 731 - 740 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本心臓財団
    
        2010
     日本心臓財団 Japan Heart Foundation  | 
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| ISSN | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI | 10.11281/shinzo.42.731 | 
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| Summary: | 背景:薬剤溶出性ステント留置後の外科手術の危険性は十分知られていない. 方法と結果:2004年8月から2008年8月に当院で施行した入院手術で,薬剤溶出性ステント留置後の症例32症例,40手術を対象とした.年齢は70±8歳で男性が24症例であった.全症例が日本人と在日韓国人であった.26症例がシロリムス溶出性ステント,3症例がパクリタクセル溶出性ステント,3症例で両者が使用されていた.手術は薬剤溶出性ステント留置394±301(6~1,093)日後に施行された.40手術の内訳は8手術が腹部一般外科,7手術が歯科口腔外科,6手術が冠動脈以外の血管内インターベンション治療,4手術が心臓手術,4手術が眼科手術,3手術が血管手術,そのほか8手術であった.2種抗血小板薬は低リスク群の手術においては21手術中16手術で周術期に継続投与されていたが,中リスク以上の手術では1例を除いて少なくとも5日前に両者とも中断されていた.これらの手術では抗血小板薬投与の代わりに19手術中13手術で持続ヘパリン投与が術前まで施行されていた.いずれのリスク群でも周術期の心臓関連の合併症は認めなかった.中リスク以上の手術において2手術で過剰出血のため予定外の輸血を必要とした. 結論:今回検討した症例群は多くないが,薬剤溶出性ステント留置後の周術期の合併症は必ずしも高くないことが判明した. | 
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI: | 10.11281/shinzo.42.731 |