初産婦の産後早期の眠れないことへの認識とその対応
「背景と目的」出産に伴う胎盤ホルモンの急激な低下と新生児の予測不可能な睡眠パターンは出産後の母親の睡眠不足や概日リズムの変化の原因となる(Stremler & Wolfson, 2011). そのため, 出産後数カ月では, 睡眠が大きく障害され, 起床時に眠気や疲労を感じている母親は約90%, 睡眠満足度は不満足が約70%と報告されている(堀内・近藤・小山・木戸・大久保・高木・岩澤, 1990). 睡眠と抑うつや不安の間における密接な双方向性の関係(Alvaro, Roberts, & Harris, 2013)は, 妊娠, 出産, 育児期においても認められ, 睡眠に関する問題...
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Published in | 応用心理学研究 Vol. 45; no. 3; pp. 189 - 197 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本応用心理学会
31.03.2020
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ISSN | 0387-4605 2433-7633 |
DOI | 10.24651/oushinken.45.3_189 |
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Summary: | 「背景と目的」出産に伴う胎盤ホルモンの急激な低下と新生児の予測不可能な睡眠パターンは出産後の母親の睡眠不足や概日リズムの変化の原因となる(Stremler & Wolfson, 2011). そのため, 出産後数カ月では, 睡眠が大きく障害され, 起床時に眠気や疲労を感じている母親は約90%, 睡眠満足度は不満足が約70%と報告されている(堀内・近藤・小山・木戸・大久保・高木・岩澤, 1990). 睡眠と抑うつや不安の間における密接な双方向性の関係(Alvaro, Roberts, & Harris, 2013)は, 妊娠, 出産, 育児期においても認められ, 睡眠に関する問題は, 独立して産後うつ病のリスクファクターである(Dorheim, Bondevik, Eberhard-Gran, & Bjorvatn, 2009). |
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ISSN: | 0387-4605 2433-7633 |
DOI: | 10.24651/oushinken.45.3_189 |