大動脈瘤の治療戦略 : 人工血管置換術かステントグラフトか

「はじめに」今日は, "大動脈瘤の治療戦略:人工血管置換術かステントグラフトか"というタイトルでお話をさせていただきます. 大動脈瘤は破裂や解離を起こすと生命の危機に直結する予後不良な疾患で, 破裂に至る前に治療することが非常に重要です. 薬物療法で破裂を予防することはできませんから, 治療法は何らかの手術ということになります. 手術法には, 人工血管置換術とステントグラフト内挿術という2つの方法があります. この2つの方法はどちらか一方が優れているというものではありません. それぞれの治療法に長所と短所があります. 「人工血管置換術とは」病変部を合成組織で作られた人工血管...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 8; pp. 1050 - 1054
Main Author 志水, 秀行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.1050

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Summary:「はじめに」今日は, "大動脈瘤の治療戦略:人工血管置換術かステントグラフトか"というタイトルでお話をさせていただきます. 大動脈瘤は破裂や解離を起こすと生命の危機に直結する予後不良な疾患で, 破裂に至る前に治療することが非常に重要です. 薬物療法で破裂を予防することはできませんから, 治療法は何らかの手術ということになります. 手術法には, 人工血管置換術とステントグラフト内挿術という2つの方法があります. この2つの方法はどちらか一方が優れているというものではありません. それぞれの治療法に長所と短所があります. 「人工血管置換術とは」病変部を合成組織で作られた人工血管に取り替える以前から行われている手術法です. 病変部に到達するために皮膚を大きく切開し, 大動脈瘤に直接アプローチをします. 人工血管に置き換える際には, 瘤の前後で一時的に大動脈を遮断し, 大動脈瘤を切開した時に大出血しないように準備します.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.1050