カオス理論を応用した未病状態の診断
1. 緒言 近年, 脈の動態がカオスであることが解明された1). カオスとは, 一見無秩序な動きをとるが, 一定の複雑な規則をもつ動態のことである. また, カオスは複数のカオスの絡み合いによって生じ, 局所で1つのカオスを形成する特徴をもつ. したがって, この理論を用いた解析を行えば, 身体の一部のみからの情報で身体全体の状態を数値として把握できるものと考えられる. これは, 身体の不和や病気状態を数値化できる可能性を示し, 未病の診断法の確立を期待できるものである. そこで今回, ヒト脈波に対してカオス解析を行った. そして, 脈波を用いたカオス解析の個人再現性を確認し, この解析法に対...
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| Published in | 日本未病システム学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 82 - 84 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本未病システム学会
2004
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1347-5541 2185-2162 |
| DOI | 10.11288/mibyou1998.10.82 |
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| Summary: | 1. 緒言 近年, 脈の動態がカオスであることが解明された1). カオスとは, 一見無秩序な動きをとるが, 一定の複雑な規則をもつ動態のことである. また, カオスは複数のカオスの絡み合いによって生じ, 局所で1つのカオスを形成する特徴をもつ. したがって, この理論を用いた解析を行えば, 身体の一部のみからの情報で身体全体の状態を数値として把握できるものと考えられる. これは, 身体の不和や病気状態を数値化できる可能性を示し, 未病の診断法の確立を期待できるものである. そこで今回, ヒト脈波に対してカオス解析を行った. そして, 脈波を用いたカオス解析の個人再現性を確認し, この解析法に対する信頼性を検討したので報告する. 2. 方法 未病状態を訴える者を含めた健常成人104名を対象とした. 指尖容積脈波を測定し, これに対してカオス解析を行った. 測定と解析にはBACS(株式会社コンピュータコンピニエンス)を用いた. 左手示指より(100秒測定+60秒休憩)×3回で1測程とし, 各被験者に対し2測程の測定を行った. |
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| ISSN: | 1347-5541 2185-2162 |
| DOI: | 10.11288/mibyou1998.10.82 |