Anaerobiospirillum succiniciproducensによる血流感染1症例:本邦3例目からみる簡易推定
我々はAnaerobiospirillum succiniciproducensによる血流感染症の1例を経験した。症例は80歳男性。イヌを屋内で飼い始めた頃より咳と咽頭痛が見られ,その後に発熱と食欲低下も出現したため当院を受診した。胸部レントゲン,胸部CTで右下葉に浸潤影が認められ肺炎の診断で入院した。入院時に採取された血液培養検査で嫌気性らせん状グラム陰性桿菌を検出し,16S rRNA遺伝子解析の結果A. succiniciproducensと同定された。症例患者は入院時に細菌性肺炎としてSulbactam/Ampicillin(SBT/ABPC)の投与で治療を開始し,血液培養検査の塗抹検査...
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| Published in | Japanese Journal of Medical Technology Vol. 67; no. 1; pp. 124 - 130 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.01.2018
日本臨床衛生検査技師会 Japanese Association of Medical Technologists |
| Subjects | |
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| ISSN | 0915-8669 2188-5346 |
| DOI | 10.14932/jamt.17-106 |
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| Summary: | 我々はAnaerobiospirillum succiniciproducensによる血流感染症の1例を経験した。症例は80歳男性。イヌを屋内で飼い始めた頃より咳と咽頭痛が見られ,その後に発熱と食欲低下も出現したため当院を受診した。胸部レントゲン,胸部CTで右下葉に浸潤影が認められ肺炎の診断で入院した。入院時に採取された血液培養検査で嫌気性らせん状グラム陰性桿菌を検出し,16S rRNA遺伝子解析の結果A. succiniciproducensと同定された。症例患者は入院時に細菌性肺炎としてSulbactam/Ampicillin(SBT/ABPC)の投与で治療を開始し,血液培養検査の塗抹検査結果報告後は血流感染症に対する治療として抗菌薬を変更せず投与期間を延長した。抗菌剤投与期間を終え,全身状態が改善したため退院した。本邦における本菌による血流感染症例は少なく稀とされるが,今後も同定に至るまでの検査方法や感染症治療成績を蓄積していくことが重要と考える。 |
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| ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
| DOI: | 10.14932/jamt.17-106 |