松山論文に対するEditorial Comment

ペースメーカー, ICD(implantable cardioverter defibrillator)またはCRT(cardiac resynchronization therapy)などの心臓リズムマネージメントデバイスは, 小型軽量化・高機能化が進み植込み件数も飛躍的に増加している. それに伴い感染をはじめとするさまざまな合併症も増加傾向にあり, 時として致命的となる場合もある. 中でもリードの移動・逸脱は術後早期再手術の最も多い原因であり, 心室リードより心房リードに多い1)2). 近年では, CRTにおける左室リードのdislodgementの比率が比較的高いことが報告されている3)...

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Published inShinzo Vol. 45; no. 9; p. 1160
Main Author 大森, 裕也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.09.2013
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.1160

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Summary:ペースメーカー, ICD(implantable cardioverter defibrillator)またはCRT(cardiac resynchronization therapy)などの心臓リズムマネージメントデバイスは, 小型軽量化・高機能化が進み植込み件数も飛躍的に増加している. それに伴い感染をはじめとするさまざまな合併症も増加傾向にあり, 時として致命的となる場合もある. 中でもリードの移動・逸脱は術後早期再手術の最も多い原因であり, 心室リードより心房リードに多い1)2). 近年では, CRTにおける左室リードのdislodgementの比率が比較的高いことが報告されている3). おそらく, デバイス診療にかかわる臨床諸家を最も悩ませる原因の1つに術後早期のリード移動があげられるだろう. 松山論文では, 繰り返すgenerator migrationとlead dislodgementの原因としてあらゆる可能性を考え, 最終的に胸壁結合織の脆弱性を問題とした4). その対策として, デバイス本体を鎖骨に固定するという非定型的な術式を行うことで良好な結果を得ている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.1160