薬剤師によるアカデミック・ディテーリングへの期待

「はじめに」昨今, 医療は一人のカリスマ医療者により実施されるのが理想ではなく, 様々な立場の専門家によるチームで行うことが求められている. 情報の共有やエビデンス構築が困難だった時代においては, 個人の経験による技術や知識がモノを言っていたが, 今や優れた個人では掌握できない数のデータが, 統計的に解析され, その結果を科学的根拠と呼び, これに基づき, バイアスをできるかぎり排除し, 経験の多寡にかかわらない診断や治療方針が"示せる"時代に変わりつつある. チームは"示した"後により必要となる. 実施の決定には, 当事者である患者や家族の意思決定が必...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 139; no. 8; pp. 1081 - 1083
Main Author 齊藤, 光江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.08.2019
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.19-00003-2

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Summary:「はじめに」昨今, 医療は一人のカリスマ医療者により実施されるのが理想ではなく, 様々な立場の専門家によるチームで行うことが求められている. 情報の共有やエビデンス構築が困難だった時代においては, 個人の経験による技術や知識がモノを言っていたが, 今や優れた個人では掌握できない数のデータが, 統計的に解析され, その結果を科学的根拠と呼び, これに基づき, バイアスをできるかぎり排除し, 経験の多寡にかかわらない診断や治療方針が"示せる"時代に変わりつつある. チームは"示した"後により必要となる. 実施の決定には, 当事者である患者や家族の意思決定が必要であり, そのプロセスの援助, また実施するためには有効で安全な実施のためのサポート体制が必要である. その結果は多面的に評価されねばならないし, 次の治療に適切にフィードバックされねばならない. 多職種によるチームが必要な所以である.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.19-00003-2