現場で活かす薬物相互作用の知識
一人の患者が複数の疾患に罹患している場合, 複数の医薬品を服用する場合は多い. 異なる疾患を適応症とする複数の医薬品を服用する以外にも, 患者の主疾患に対する医薬品の副作用を補うための薬や, 主疾患に伴う二次的疾患の治療薬を同時に服用する場合もある. 複数の疾患を煩っている場合それぞれの疾患に対する医薬品間の相互作用のリスクを考慮しなければならない. 例えば慢性疾患治療薬を服用している患者が一時的に感染症の治療薬を必要とするとき, その慢性疾患治療薬と感染症治療薬との相互作用は重要な問題となる. また単剤で治療されている場合においても食品やサプリメントなどとの相互作用が懸念されるものもある....
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| Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 138; no. 3; pp. 335 - 336 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.03.2018
日本薬学会 |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
| DOI | 10.1248/yakushi.17-00191-F |
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| Summary: | 一人の患者が複数の疾患に罹患している場合, 複数の医薬品を服用する場合は多い. 異なる疾患を適応症とする複数の医薬品を服用する以外にも, 患者の主疾患に対する医薬品の副作用を補うための薬や, 主疾患に伴う二次的疾患の治療薬を同時に服用する場合もある. 複数の疾患を煩っている場合それぞれの疾患に対する医薬品間の相互作用のリスクを考慮しなければならない. 例えば慢性疾患治療薬を服用している患者が一時的に感染症の治療薬を必要とするとき, その慢性疾患治療薬と感染症治療薬との相互作用は重要な問題となる. また単剤で治療されている場合においても食品やサプリメントなどとの相互作用が懸念されるものもある. 薬物間の相互作用とは, 一方の薬物が他方の薬物の本来の薬理効果に影響を及ぼし, 副作用を誘発したり, 薬理効果の減少を引き起こしたりすることである. メカニズムは薬物動態学的相互作用と, 薬力学的相互作用に分類され, 薬物動態学的には吸収, 分布, 代謝及び排泄の過程での相互作用に分けられ, 種々の薬物における臨床研究がなされ報告されている. |
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| ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
| DOI: | 10.1248/yakushi.17-00191-F |