災害時における薬剤師の役割 ~医師の目から見た災害時における薬剤師の役割,平時の医療において取り組むべきこと

「1. はじめに」 このたび私は4月9-16日, 東日本大震災の救援活動として, 石巻地区の救援に医師, 看護師, 薬剤師, 理学療法士という多職種混成チームで参加した. 今回, この支援活動での「つなげる」役割としての活動を報告し, 地域で働く薬剤師に求められる更なる発展課題として若干の考察を述べたい. 「2. 東日本大震災における支援活動と現地に赴いて見えてきた問題」 今回私が主に係わったのは, 介護量の多い避難者が集まる避難所「遊楽館」の立ち上げであった. 遊楽館は3月11日地震発生直後, 一般避難所として開放され, 当初50名程度の避難者が集まった. その数日後の3月14日, 石巻市立...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 134; no. 1; pp. 15 - 16
Main Author 松田, 諭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2014
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.13-00185-3

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Summary:「1. はじめに」 このたび私は4月9-16日, 東日本大震災の救援活動として, 石巻地区の救援に医師, 看護師, 薬剤師, 理学療法士という多職種混成チームで参加した. 今回, この支援活動での「つなげる」役割としての活動を報告し, 地域で働く薬剤師に求められる更なる発展課題として若干の考察を述べたい. 「2. 東日本大震災における支援活動と現地に赴いて見えてきた問題」 今回私が主に係わったのは, 介護量の多い避難者が集まる避難所「遊楽館」の立ち上げであった. 遊楽館は3月11日地震発生直後, 一般避難所として開放され, 当初50名程度の避難者が集まった. その数日後の3月14日, 石巻市立病院が3日間の孤立状態から解除され, 津波によって病院機能の失われた市立病院入院患者が, 急性期の重傷者は石巻赤十字病院に, 慢性疾患の患者が遊楽館に移動されることとなった. そのため, 避難所「遊学館」には年齢としては生後4ヵ月の子供から90代の高齢者まで, 疾患としては高血圧やリウマチなどの内科疾患の方, 褥瘡などの処置の必要な方, さらには透析が行われている方など幅広くケアの必要な方々が入居されていた.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.13-00185-3