ラインプローブ法による抗酸菌同定および結核菌薬剤感受性判定の臨床評価
〔背景〕多剤耐性結核(MDR-TB)や超多剤耐性結核(XDR-TB)は治療が困難なことから問題とされているが,結核菌の薬剤感受性検査は培養株が得られてから3~4週間を要するため,迅速な検出方法が求められている。〔目的〕今回,菌種同定と薬剤感受性試験を同時に実施できる新規ラインプローブアッセイ(LiPA;ニプロ株式会社)の評価を行った。〔対象と方法〕臨床検体163例を収集し,LiPAにて菌種同定,結核菌群RFP,INH,PZA,LVFX感受性判定を行った。〔結果〕臨床検体から直接検出するうえで十分な感度で結核菌,Mycobacterium avium,M.intracellulare,M.kan...
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| Published in | Kekkaku(Tuberculosis) Vol. 88; no. 3; pp. 291 - 296 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本結核病学会
2013
日本結核病学会 JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS |
| Subjects | |
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| ISSN | 0022-9776 1884-2410 |
| DOI | 10.11400/kekkaku.88.291 |
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| Summary: | 〔背景〕多剤耐性結核(MDR-TB)や超多剤耐性結核(XDR-TB)は治療が困難なことから問題とされているが,結核菌の薬剤感受性検査は培養株が得られてから3~4週間を要するため,迅速な検出方法が求められている。〔目的〕今回,菌種同定と薬剤感受性試験を同時に実施できる新規ラインプローブアッセイ(LiPA;ニプロ株式会社)の評価を行った。〔対象と方法〕臨床検体163例を収集し,LiPAにて菌種同定,結核菌群RFP,INH,PZA,LVFX感受性判定を行った。〔結果〕臨床検体から直接検出するうえで十分な感度で結核菌,Mycobacterium avium,M.intracellulare,M.kansasiiの同定が可能であることが確認できた。また,結核菌における薬剤感受性についてはINH感受性では一部の検体で乖離した結果となったが,RFP,PZA,LVFXについては全て一致した結果であった。〔考察〕LiPAによる迅速な菌種同定と薬剤耐性判定は,適切な薬剤による治療の早期開始と感染リスクの予防に有用と考えられる。 |
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| ISSN: | 0022-9776 1884-2410 |
| DOI: | 10.11400/kekkaku.88.291 |