難治性舌痛症に対して漢方治療が奏効した4症例

舌痛症は器質的変化がないにもかかわらず,舌に慢性的な痛みやしびれが生じる疾患である.とくに更年期の女性に多く発症し,歯科治療後に発症することが多いが,原因は不明なことが多く難治性である.心因性の問題が大きく関与していると考えられている.疼痛は舌尖部から舌縁部に好発し,摂食時,睡眠時には軽減する傾向がある.今回,舌痛症の診断で西洋医学的治療を行ったが無効であった4症例に対して,証に合わせてそれぞれ四逆散合香蘇散(柴胡疎肝湯の方意),桂枝人参湯,加味逍遙散,四逆散を使用し,numerical rating scale(NRS)で0~3に痛みが改善した.このように難治性舌痛症に対しては証(漢方学的所...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 106 - 109
Main Authors 今井, 美奈, 三枝, 勉, 光畑, 裕正, 山口, 敬介, 松本, 園子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 2016
日本ペインクリニック学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc.15-0049

Cover

More Information
Summary:舌痛症は器質的変化がないにもかかわらず,舌に慢性的な痛みやしびれが生じる疾患である.とくに更年期の女性に多く発症し,歯科治療後に発症することが多いが,原因は不明なことが多く難治性である.心因性の問題が大きく関与していると考えられている.疼痛は舌尖部から舌縁部に好発し,摂食時,睡眠時には軽減する傾向がある.今回,舌痛症の診断で西洋医学的治療を行ったが無効であった4症例に対して,証に合わせてそれぞれ四逆散合香蘇散(柴胡疎肝湯の方意),桂枝人参湯,加味逍遙散,四逆散を使用し,numerical rating scale(NRS)で0~3に痛みが改善した.このように難治性舌痛症に対しては証(漢方学的所見)に従う漢方を使用することにより,効果があることが示された.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.15-0049