沼田論文に対するEditorial Comment
本症例は, 急性下壁心筋梗塞後に発症した心室中隔穿孔(ventricular septal perforation;VSP)であり, 心原性ショックに陥り手術まで至ることができずに死亡した症例である. 比較的高齢の女性で高血圧の既往があり, 初回の貫壁性梗塞で1枝病変であり, 側副血行の発達は不良であった. また, 来院時間まで2日経過しており発症初期の安静が困難であったと考えられる, VSPを発症する危険因子を多数有していた症例である. 本症例は来院時の血圧は86/53mmHgと心原性ショックに近い状態であり, ドーパミンの持続静注開始後に血圧は120mmHg台に上昇した....
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Published in | Shinzo Vol. 51; no. 5; pp. 534 - 535 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
15.05.2019
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.51.534 |
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Summary: | 本症例は, 急性下壁心筋梗塞後に発症した心室中隔穿孔(ventricular septal perforation;VSP)であり, 心原性ショックに陥り手術まで至ることができずに死亡した症例である. 比較的高齢の女性で高血圧の既往があり, 初回の貫壁性梗塞で1枝病変であり, 側副血行の発達は不良であった. また, 来院時間まで2日経過しており発症初期の安静が困難であったと考えられる, VSPを発症する危険因子を多数有していた症例である. 本症例は来院時の血圧は86/53mmHgと心原性ショックに近い状態であり, ドーパミンの持続静注開始後に血圧は120mmHg台に上昇した. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.51.534 |