検査所要時間の短縮と安全性向上に向けた取り組み

我々は,病院の建て替えに伴い情報システムを一新する機会を得た。このプロジェクトにおいて,検査所要時間の短縮と検査過誤防止対策の強化を2大目標とした。検査所要時間を短縮するため,従来の外来患者受付から検査完了までの工程を検証し,採血,採尿,生理機能検査の受付業務を一元化した効率の良い検体受付システムを構築することとした。検査過誤防止対策を強化すべく,要求仕様に応える部門システムを選定し,輸血検査では認証機能などに対策を施した。外来患者受付業務の一元化は,標準機能だけでは実現できなかったが,検査種別やマスターコード体系が異なる依頼情報を集約する手段を構築することにより,一括で患者受付を行える仕組み...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 64; no. 1; pp. 110 - 116
Main Authors 杉本, 健一, 平田, 龍三, 阿部, 正樹, 河合, 昭人, 堀口, 久孝, 横山, 雄介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2015
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.14-38

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Summary:我々は,病院の建て替えに伴い情報システムを一新する機会を得た。このプロジェクトにおいて,検査所要時間の短縮と検査過誤防止対策の強化を2大目標とした。検査所要時間を短縮するため,従来の外来患者受付から検査完了までの工程を検証し,採血,採尿,生理機能検査の受付業務を一元化した効率の良い検体受付システムを構築することとした。検査過誤防止対策を強化すべく,要求仕様に応える部門システムを選定し,輸血検査では認証機能などに対策を施した。外来患者受付業務の一元化は,標準機能だけでは実現できなかったが,検査種別やマスターコード体系が異なる依頼情報を集約する手段を構築することにより,一括で患者受付を行える仕組みを作ることができた。システムの仕様上回避できなかった問題は,運用の工夫で解決した。今回の取り組みの結果,至急検査の平均報告時間は約45分から約35分に短縮した。その反面,検査過誤防止の対策には課題が残った。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.14-38