山崎論文に対するEditorial Comment

冠動脈瘤を合併する冠動脈瘻は 瘤の大きさ, 瘤の流入出血管の位置によって手術が多様化し, たくさんの手術例が報告されている. その手術適応としては, 冠動脈瘻単独で考えると, 瘻による冠動脈の盗血による心筋虚血の有無であるが, 瘤を合併する場合には, 破裂予防としての手術が考慮される. 形態的には嚢状が破裂しやすく, 破裂した瘤の大きさに一定の傾向はなく, わずか10mmでも破裂する場合があるため, 小さくでも手術を考慮すべきである1). 破裂する前であれば, 冠動脈瘤自体での症状は瘤による圧排によって2次的に引き起こされるために, この症例のように巨大になると不整脈として現れる. 私の経験し...

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Published inShinzo Vol. 46; no. 3; pp. 404 - 405
Main Author 廣田, 真規
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.46.404

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Summary:冠動脈瘤を合併する冠動脈瘻は 瘤の大きさ, 瘤の流入出血管の位置によって手術が多様化し, たくさんの手術例が報告されている. その手術適応としては, 冠動脈瘻単独で考えると, 瘻による冠動脈の盗血による心筋虚血の有無であるが, 瘤を合併する場合には, 破裂予防としての手術が考慮される. 形態的には嚢状が破裂しやすく, 破裂した瘤の大きさに一定の傾向はなく, わずか10mmでも破裂する場合があるため, 小さくでも手術を考慮すべきである1). 破裂する前であれば, 冠動脈瘤自体での症状は瘤による圧排によって2次的に引き起こされるために, この症例のように巨大になると不整脈として現れる. 私の経験した症例の中にも, 約10cmの巨大右冠動脈瘤は心室性不整脈の精査のCTで偶発的に発見され, 手術を受けることとなった症例がある.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.404