DPS192iXを使用したExtended Spectrum β-lactamase産生菌の迅速検出に関する検討

近年,グラム陰性桿菌の薬剤耐性化が世界的に問題となっている。その一つにESBL産生菌があり,迅速な検出が求められている。そこで,各種β-ラクタマーゼ産生グラム陰性腸内細菌科細菌を用いて薬剤感受性測定機器DPS192iXおよび薬剤感受性測定パネルEPB1(ともに栄研化学)の有用性評価とESBL産生菌の迅速検出について検討した。対象は各種β-ラクタマーゼ産生菌71株とした。従来法(微量液体希釈法:ドライプレート‘栄研’DPK1,ドライプレート‘栄研’DP31)を対照とした本法の ±1管差一致率は対象とした全ての薬剤で94%以上を示した。ESBL産生株28株の検出率は,18時間でCTX 96%,CA...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 66; no. 6; pp. 649 - 655
Main Authors 中村, 竜也, 林, 伸英, 大路, 剛, 小林, 沙織, 楠木, まり, 三枝, 淳, 大沼, 健一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.11.2017
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.17-66

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Summary:近年,グラム陰性桿菌の薬剤耐性化が世界的に問題となっている。その一つにESBL産生菌があり,迅速な検出が求められている。そこで,各種β-ラクタマーゼ産生グラム陰性腸内細菌科細菌を用いて薬剤感受性測定機器DPS192iXおよび薬剤感受性測定パネルEPB1(ともに栄研化学)の有用性評価とESBL産生菌の迅速検出について検討した。対象は各種β-ラクタマーゼ産生菌71株とした。従来法(微量液体希釈法:ドライプレート‘栄研’DPK1,ドライプレート‘栄研’DP31)を対照とした本法の ±1管差一致率は対象とした全ての薬剤で94%以上を示した。ESBL産生株28株の検出率は,18時間でCTX 96%,CAZ 68%,CPR 93%,CPDX 96%であったが,5時間においてもCTX 75%,CPDX 96%と高率に検出可能な薬剤も存在した。18時間では,全てのESBL産生菌でいずれかの薬剤に陽性となったが,遺伝子型により陽性を示す薬剤が異なるため注意が必要であった。以上より,DPS192iXを用いた各種β-ラクタマーゼ産生腸内細菌科細菌の薬剤感受性検査は,日常検査においても精度良く測定可能であった。また,ESBL産生株の迅速検出が可能であり,抗菌薬適正使用および院内感染対策にも貢献できる機器であると考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-66