帝王切開後に破裂した左腎動脈瘤の1手術例

腎動脈瘤は妊娠中に破裂する危険が高い瘤とされているが,帝王切開後に破裂した腎動脈瘤に対し,緊急瘤切除術を施行し腎機能の温存をし得た症例を経験したので報告する.症例は31歳女性.妊娠糖尿病で近医通院中,常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切開術を施行された.児娩出17時間後に突然の左腰痛と背部痛が出現しCT上左腎動脈瘤の破裂を認めた.瘤のコイルパッキングを施行したが,瘤が大きいため完全にパッキングすることができず手術を施行した.後腹膜アプローチで瘤を切除し端々吻合にて腎動脈を再建,術後経過良好で腎機能を温存することができた.帝王切開後に破裂した稀な腎動脈瘤に対し,手術治療により良好な結果を得られた....

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Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 20; no. 6; pp. 855 - 859
Main Authors 杉浦, 唯久, 南, 智行, 安田, 章沢, 井元, 清隆, 内田, 敬二, 益田, 宗孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2011
日本血管外科学会
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.20.855

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Summary:腎動脈瘤は妊娠中に破裂する危険が高い瘤とされているが,帝王切開後に破裂した腎動脈瘤に対し,緊急瘤切除術を施行し腎機能の温存をし得た症例を経験したので報告する.症例は31歳女性.妊娠糖尿病で近医通院中,常位胎盤早期剥離のため緊急帝王切開術を施行された.児娩出17時間後に突然の左腰痛と背部痛が出現しCT上左腎動脈瘤の破裂を認めた.瘤のコイルパッキングを施行したが,瘤が大きいため完全にパッキングすることができず手術を施行した.後腹膜アプローチで瘤を切除し端々吻合にて腎動脈を再建,術後経過良好で腎機能を温存することができた.帝王切開後に破裂した稀な腎動脈瘤に対し,手術治療により良好な結果を得られた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20.855