瀬名波論文に対するEditorial Comment
下肢に形成される動脈硬化性の動脈瘤の多くは膝窩動脈, 総大腿動脈などにみられ, 筋肉組織に囲まれた大腿深動脈や浅大腿動脈の瘤化の頻度は低い1). Pappasらの分類では, 大腿動脈では総大腿動脈瘤が27%, 浅大腿動脈瘤が26%, 腸骨-大腿動脈瘤14%, 大腿-膝窩動脈瘤13%とされている2). 一般的に動脈瘤が有症状となるのは, 血栓閉塞した場合か破裂した場合である. 腹部大動脈瘤は破裂, 膝窩動脈瘤は血栓性閉塞での発症が多い. 浅大腿動脈瘤は, 下肢の動脈瘤であるが, 膝窩動脈瘤より腹部大動脈瘤に近い経過をとり, 血栓閉塞より破裂で発症する頻度がやや高いとされる3)....
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. 3; pp. 370 - 371 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.370 |
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Summary: | 下肢に形成される動脈硬化性の動脈瘤の多くは膝窩動脈, 総大腿動脈などにみられ, 筋肉組織に囲まれた大腿深動脈や浅大腿動脈の瘤化の頻度は低い1). Pappasらの分類では, 大腿動脈では総大腿動脈瘤が27%, 浅大腿動脈瘤が26%, 腸骨-大腿動脈瘤14%, 大腿-膝窩動脈瘤13%とされている2). 一般的に動脈瘤が有症状となるのは, 血栓閉塞した場合か破裂した場合である. 腹部大動脈瘤は破裂, 膝窩動脈瘤は血栓性閉塞での発症が多い. 浅大腿動脈瘤は, 下肢の動脈瘤であるが, 膝窩動脈瘤より腹部大動脈瘤に近い経過をとり, 血栓閉塞より破裂で発症する頻度がやや高いとされる3). |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.370 |