佐藤論文に対するEditorial Comment
佐藤らによる論文は, 右冠動脈遠位部を責任病変とする急性心筋梗塞に対してステント2本を用いて再灌流治療に成功したが, 11カ月後に前回の2本のステント間に出現した高度狭窄が原因である狭心症が発現し, 再血行再建が行われた症例の報告である1). 本症例では再度の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention ; PCI)時に急性冠閉塞が発生したが, なんとかbail-outに成功した. 本論文の内容には, 3つの重要なポイントがある. 第1は再PCIでの手技上の問題点である. その中でもまず指摘すべきは, 前半に生じたガイドワイヤを含めたシス...
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. 1; p. 113 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.113 |
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Summary: | 佐藤らによる論文は, 右冠動脈遠位部を責任病変とする急性心筋梗塞に対してステント2本を用いて再灌流治療に成功したが, 11カ月後に前回の2本のステント間に出現した高度狭窄が原因である狭心症が発現し, 再血行再建が行われた症例の報告である1). 本症例では再度の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention ; PCI)時に急性冠閉塞が発生したが, なんとかbail-outに成功した. 本論文の内容には, 3つの重要なポイントがある. 第1は再PCIでの手技上の問題点である. その中でもまず指摘すべきは, 前半に生じたガイドワイヤを含めたシステムの脱落である. 新たなステント挿入がその誘因となったが, 血管径が十分太いので余裕をもった手技でシステムの脱落を防ぐべきであった. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.113 |