佐久間論文に対するEditorial Comment

光干渉断層法(optical coherence tomography; OCT)は生体組織と対照鏡にそれぞれ光を当て, その反射光を干渉させて組織の断層画像を得るもので, 従来から眼科領域で網膜の観察などに用いられてきた. 数年前より, 光ファイバー技術をカテーテルに応用して, 血管壁のOCT画像を得る装置が開発され臨床に用いられるようになった. 第1世代のOCTは広帯域光を分光させて組織と対照鏡へ当てるものであり, 対照鏡を動かしながら反射光を干渉させることでカテーテルから組織までの距離情報を得ていた(time-domain OCT). 軸方向解像度は15~20μm, 側方解像度は39μm...

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Published inShinzo Vol. 44; no. 3; p. 332
Main Author 小宮山, 伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2012
日本心臓財団
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.44.332

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Summary:光干渉断層法(optical coherence tomography; OCT)は生体組織と対照鏡にそれぞれ光を当て, その反射光を干渉させて組織の断層画像を得るもので, 従来から眼科領域で網膜の観察などに用いられてきた. 数年前より, 光ファイバー技術をカテーテルに応用して, 血管壁のOCT画像を得る装置が開発され臨床に用いられるようになった. 第1世代のOCTは広帯域光を分光させて組織と対照鏡へ当てるものであり, 対照鏡を動かしながら反射光を干渉させることでカテーテルから組織までの距離情報を得ていた(time-domain OCT). 軸方向解像度は15~20μm, 側方解像度は39μmで, これは血管内超音波法(intravascular ultrasound; IVUS)の約10分の1であり, IVUSでみえないものを確認できる画期的な血管内画像診断技術として注目された. しかし, 一方で波長が短い光を用いるために減衰が大きく, 特に血液(赤血球)があると血管壁を観察できないので生理食塩水などで血液を排除しながら観察する必要があった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.332