開発途上国の医療施設における医療機器管理についての一考察

「はじめに」国際保健医療分野において, 医療機器管理の重要性はすでに十分に認知されていると言っても過言ではない. しかしながら, 我々の経験では, 援助側関係者の間では医療機器管理の捉え方が異なり, 多くの誤解や混乱が生じているようである. 例えば, 「医療機器管理」の問題を「エンジニアの保守管理の工学的な技術の問題」として特化し, 保守管理技術能力の改善により高い質の医療サービスが提供できると言った飛躍などが見受けることがある. このような誤解や混乱の原因は, 医療機器管理についてまとまった資料や文献も少なく, 援助関係者にとって学ぶ機会が少ない現実に原因があると思われる. そこで, 本稿で...

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Published inKokusai Hoken Iryo (Journal of International Health) Vol. 21; no. 3; pp. 197 - 199
Main Authors 安食, 和博, 松尾, 剛, 垣本, 和宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本国際保健医療学会 2006
JAPAN ASSOCIATION FOR INTERNATIONAL HEALTH
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ISSN0917-6543
DOI10.11197/jaih.21.197

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Summary:「はじめに」国際保健医療分野において, 医療機器管理の重要性はすでに十分に認知されていると言っても過言ではない. しかしながら, 我々の経験では, 援助側関係者の間では医療機器管理の捉え方が異なり, 多くの誤解や混乱が生じているようである. 例えば, 「医療機器管理」の問題を「エンジニアの保守管理の工学的な技術の問題」として特化し, 保守管理技術能力の改善により高い質の医療サービスが提供できると言った飛躍などが見受けることがある. このような誤解や混乱の原因は, 医療機器管理についてまとまった資料や文献も少なく, 援助関係者にとって学ぶ機会が少ない現実に原因があると思われる. そこで, 本稿では, この分野への技術協力の立案や実施, 評価に役立てるよう, 開発途上国の医療施設での医療機器管理ついて我々の経験などをもとに考え方をまとめてみた. 「1. 医療機器の定義」「医療機器」については様々な定義があり, 日本の薬事法や独立行政法人医薬品医療機器総合機構法, 日本工業標準調査会(JIS Q13485), WHO1)などではそれぞれの定義が微妙に異なっている.
ISSN:0917-6543
DOI:10.11197/jaih.21.197