ピルジカイニドで誘発されアブレーションし得た発熱誘発性心室頻拍の1例
症例は11歳, 男児. 生来健康. 心奇形. 4歳より37°C以上の発熱時に左脚ブロック下方軸, 心拍数170-200回/分の持続性心室頻拍を繰り返し, ベラパミル投与と解熱により停止していた. 5歳時に心臓電気生理学的検査を施行. 心室頻拍は心室プログラム刺激, イソプロテレノール負荷, 硫酸アトロピン投与では誘発されなかった. プロプラノロールを内服したが発作を繰り返したため, 10歳48kgのときに心臓電気生理学的検査を再施行. ピルジカイニド25mg投与したところ心拍数210回/分の心室頻拍が自然発生した. 誘発された心室頻拍は右室流出路自由壁側中下部が最早期のfocalパターンであり...
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. 4; pp. 530 - 535 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.530 |
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Summary: | 症例は11歳, 男児. 生来健康. 心奇形. 4歳より37°C以上の発熱時に左脚ブロック下方軸, 心拍数170-200回/分の持続性心室頻拍を繰り返し, ベラパミル投与と解熱により停止していた. 5歳時に心臓電気生理学的検査を施行. 心室頻拍は心室プログラム刺激, イソプロテレノール負荷, 硫酸アトロピン投与では誘発されなかった. プロプラノロールを内服したが発作を繰り返したため, 10歳48kgのときに心臓電気生理学的検査を再施行. ピルジカイニド25mg投与したところ心拍数210回/分の心室頻拍が自然発生した. 誘発された心室頻拍は右室流出路自由壁側中下部が最早期のfocalパターンであり, 機序としてマイクロリエントリーが想定された. 同部位からの通電中に心室頻拍の周期は延長し, 洞調律に復帰した. 以降, 発熱による心室頻拍は認めていない. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.530 |