ルミパルスプレストPIVKAII-Nエーザイにおける基本性能の評価

PIVKA-IIは,ビタミンK欠乏,ビタミンK拮抗薬投与,肝実質障害などで産生され,特に,肝細胞癌を有する患者血清中に高率に出現することから,腫瘍マーカーとして使用されている。今回,MU-3抗体(1次抗体)を用いた測定試薬で,新たに2次抗体をポリクローナル抗体からモノクローナル抗体に変更し,さらに,血漿測定も可能として発売された「ルミパルスプレストPIVKA II-Nエ-ザイ」が発売されたので,その基本的性能について検討した。その結果,同時再現性はCV値で1.8~6.3%,日差再現性はCV値で2.9~5.4%,希釈直線性についても概ね良好であった。現行試薬との相関性はy = 0.95x + 1...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 68; no. 1; pp. 56 - 60
Main Authors 淺沼, 康一, 永原, 大五, 柳原, 希美, 山田, 浩司, 菅原, 清美, 髙橋, 聡, 古谷, 桃子, 田中, 信悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2019
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.18-44

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Summary:PIVKA-IIは,ビタミンK欠乏,ビタミンK拮抗薬投与,肝実質障害などで産生され,特に,肝細胞癌を有する患者血清中に高率に出現することから,腫瘍マーカーとして使用されている。今回,MU-3抗体(1次抗体)を用いた測定試薬で,新たに2次抗体をポリクローナル抗体からモノクローナル抗体に変更し,さらに,血漿測定も可能として発売された「ルミパルスプレストPIVKA II-Nエ-ザイ」が発売されたので,その基本的性能について検討した。その結果,同時再現性はCV値で1.8~6.3%,日差再現性はCV値で2.9~5.4%,希釈直線性についても概ね良好であった。現行試薬との相関性はy = 0.95x + 117.2,r = 0.99と良好であり,本試薬における血清検体と血漿検体の相関性はy = 0.78x + 231.4,r = 1.00と傾きがやや低い傾向だったが,測定上限を10,000 mAU/mLに設定して解析すると傾き1.04と良好な結果が得られた。以上の結果から本試薬は日常検査に有用と考えられた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-44