Peptostreptococcusによる感染性腹部大動脈瘤破裂の1救命例
感染性腹部大動脈瘤は術後感染のコントロールに難渋することも多い.われわれは感染性腹部大動脈瘤破裂に対する緊急手術(解剖学的血行再建)後に,後腹膜膿瘍および膿胸を合併するも救命に成功した症例を経験したので報告する.症例は59歳男性,腰背部痛を主訴に紹介医受診し腹部造影CTにて腹部大動脈瘤破裂と診断,同日緊急手術を施行した.瘤を切開すると,左後方へ穿破しており腸腰筋膿瘍の形成を認めた.感染組織と思われる部位を可及的に除去しwoven Dacron graftによる人工血管置換術を施行した.術中検体よりPeptostreptococcusが検出された.第24病日に後腹膜膿瘍の遷延,第32病日に膿胸を...
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| Published in | Japanese Journal of Vascular Surgery Vol. 19; no. 3; pp. 509 - 512 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
2010
日本血管外科学会 JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY |
| Subjects | |
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| ISSN | 0918-6778 1881-767X |
| DOI | 10.11401/jsvs.19.509 |
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| Summary: | 感染性腹部大動脈瘤は術後感染のコントロールに難渋することも多い.われわれは感染性腹部大動脈瘤破裂に対する緊急手術(解剖学的血行再建)後に,後腹膜膿瘍および膿胸を合併するも救命に成功した症例を経験したので報告する.症例は59歳男性,腰背部痛を主訴に紹介医受診し腹部造影CTにて腹部大動脈瘤破裂と診断,同日緊急手術を施行した.瘤を切開すると,左後方へ穿破しており腸腰筋膿瘍の形成を認めた.感染組織と思われる部位を可及的に除去しwoven Dacron graftによる人工血管置換術を施行した.術中検体よりPeptostreptococcusが検出された.第24病日に後腹膜膿瘍の遷延,第32病日に膿胸を認めそれぞれドレナージを必要としたが第98病日に退院となった.起炎菌としては,われわれが検索し得る限りPeptostreptococcusによる感染性腹部大動脈瘤の報告は認められなかった.術式としては十分なデブリードマンと解剖学的再建のみにて救命が可能であった. |
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| ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
| DOI: | 10.11401/jsvs.19.509 |