ヘモグロビンA1c値の測定方法間差の現状
熊本県における特定健康診査の結果では,HbA1cが基準値(5.6%)以上を呈する受診者の比率が,地域によって大幅に異なることが判明した.この原因を究明し,是正措置を講じるために,HbA1c測定に関する機器や試薬による測定値の違いについて調査した.測定対象はインフォームドコンセントの得られた患者血液20検体,および標準品JCCRM411-2を用いた.HPLC法,免疫凝集比濁法,酵素法で各検体のHbA1c値を測定し,その結果を比較した.測定の結果,HbA1c 5.6%での患者血液における方法間差が最大0.3%であった.標準品の測定値は,HPLC法で表示値より+0.2%,酵素法で+0.1%高値であっ...
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| Published in | Japanese Journal of Medical Technology Vol. 63; no. 6; pp. 767 - 772 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
25.11.2014
日本臨床衛生検査技師会 Japanese Association of Medical Technologists |
| Subjects | |
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| ISSN | 0915-8669 2188-5346 |
| DOI | 10.14932/jamt.14-20 |
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| Summary: | 熊本県における特定健康診査の結果では,HbA1cが基準値(5.6%)以上を呈する受診者の比率が,地域によって大幅に異なることが判明した.この原因を究明し,是正措置を講じるために,HbA1c測定に関する機器や試薬による測定値の違いについて調査した.測定対象はインフォームドコンセントの得られた患者血液20検体,および標準品JCCRM411-2を用いた.HPLC法,免疫凝集比濁法,酵素法で各検体のHbA1c値を測定し,その結果を比較した.測定の結果,HbA1c 5.6%での患者血液における方法間差が最大0.3%であった.標準品の測定値は,HPLC法で表示値より+0.2%,酵素法で+0.1%高値であったが,免疫凝集比濁法での結果は表示値とほぼ一致していた.測定機器,試薬の違いがHbA1c実測値に差異を生じる要因となった可能性がある.この問題を是正するため,HbA1c測定の標準化に向けた早急な取り組みが必要である. |
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| ISSN: | 0915-8669 2188-5346 |
| DOI: | 10.14932/jamt.14-20 |