成人動脈管開存に対する2種類のデバイスを用いた経カテーテル的閉鎖術の比較検討
動脈管開存 (PDA) に対する経カテーテル的閉鎖術には, 大きく分けて2種類のデバイスを用いた治療法が行われている. 従来より標準的治療法として行われてきたコイル閉鎖術とAMPLAZERTM Duct Occluder (ADO ; St. Jude Medical, St. Paul, MN, USA) を用いた閉鎖術である. アンプラッツァー閉鎖術は, その安全性と有用性が評価され, 世界的に広く普及してきたが, 成人PDA症に対するコイル閉鎖術とアンプラッツァー閉鎖術を比較検討した報告は少ない. そこで, 今回われわれは, 成人PDAに対するコイル閉鎖術とアンプラッツァー閉鎖術の有効性...
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. 8; pp. 913 - 920 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.913 |
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Summary: | 動脈管開存 (PDA) に対する経カテーテル的閉鎖術には, 大きく分けて2種類のデバイスを用いた治療法が行われている. 従来より標準的治療法として行われてきたコイル閉鎖術とAMPLAZERTM Duct Occluder (ADO ; St. Jude Medical, St. Paul, MN, USA) を用いた閉鎖術である. アンプラッツァー閉鎖術は, その安全性と有用性が評価され, 世界的に広く普及してきたが, 成人PDA症に対するコイル閉鎖術とアンプラッツァー閉鎖術を比較検討した報告は少ない. そこで, 今回われわれは, 成人PDAに対するコイル閉鎖術とアンプラッツァー閉鎖術の有効性, 安全性についての比較検討を行った. 対象は, 経カテーテル的閉鎖術を施行した成人PDA患者連続24症例 (コイル群11例, アンプラッツァー群13例). その結果, PDAに対する経カテーテル的閉鎖術は, コイル群, アンプラッツァー群ともに高い成功率 (91% vs 100%, p=ns) が得られたが, コイル群で残存シャントに関連した溶血を2例に認め, また2例に永続的な残存シャントを認めた. 一方, アンプラッツァー群では, 全例で完全閉鎖が得られ, 溶血をはじめとした合併症は認めなかった. 以上より, 成人PDAに対する経カテーテル的閉鎖術はいずれの治療法も高い成功率と安全性が得られたが, わが国でもADOが使用可能となった現在では, 最小動脈管径が2mm以上のPDAに対しては, ADOを用いたアンプラッツァー閉鎖術が第一選択になり得ると考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.913 |