化学発光酵素免疫測定法を用いたマトリックスメタロプロテイナーゼ-3試薬の評価

マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)の測定には主にラテックス凝集比濁法(LTIA法)が用いられているが,健常小児においては大半が測定感度以下となるなど,評価困難な場合がある。今回,LTIA法より高感度である化学発光酵素免疫法(CLEIA法)を原理とした試薬(本試薬)について基礎的検討を行い,非特異反応の頻度を2種類のLTIA法試薬と比較して有用性を評価した。基礎的検討では,併行精度はCV 1.1–1.6%,再現精度はCV 1.1–1.3%と良好な結果であった。検出限界は0.041 ng/mL,定量限界(10%CV)は0.092 ng/mLと,LTIA法と比べ,約100倍の感度が得...

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Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 67; no. 1; pp. 37 - 43
Main Authors 渡邉, 勇気, 林, 伸英, 三枝, 淳, 佐藤, 伊都子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2018
日本臨床衛生検査技師会
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.17-79

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Summary:マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)の測定には主にラテックス凝集比濁法(LTIA法)が用いられているが,健常小児においては大半が測定感度以下となるなど,評価困難な場合がある。今回,LTIA法より高感度である化学発光酵素免疫法(CLEIA法)を原理とした試薬(本試薬)について基礎的検討を行い,非特異反応の頻度を2種類のLTIA法試薬と比較して有用性を評価した。基礎的検討では,併行精度はCV 1.1–1.6%,再現精度はCV 1.1–1.3%と良好な結果であった。検出限界は0.041 ng/mL,定量限界(10%CV)は0.092 ng/mLと,LTIA法と比べ,約100倍の感度が得られた。測定範囲は2,575 ng/mLまでの直線性が得られた。添加回収試験では,99–107%の回収率が得られ,共存物質の影響は特に認められなかった。2種類のLTIA法試薬との相関は,それぞれr = 0.995(n = 305),r = 0.989(n = 305)と良好な相関を示した。非特異反応を起こしやすいと考えられる検査値異常パネル(336件)を3試薬で測定すると,測定値が乖離した検体が10例認められたが,本試薬では希釈直線性不良のものは認められなかった。本試薬の基礎的検討は良好で,LTIA法試薬との相関も良好であり,非特異反応も軽減されていたことから,本試薬はMMP-3測定試薬として有用である。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-79