痛みに対する非破壊的経皮電気刺激療法の臨床経験

除痛手術後の遺残痛・再発痛やその他の慢性痛および悪性腫瘍末期痛など29例に対して,国産の携帯用小型personal stimulatorを用いて,経皮的末梢神経電気刺激療法を試みた. その結果,Lテスト刺激では著効より多少とも効果を認めるものまで含むと,93%の患者で有効となり,たしかに鎮痛効果は認める. 2.患者に1週間より2年10カ月にわたる期間stimulatorを貸し出して,患者自身による経皮刺激を継続して行わせたもの22例中,86%の患者で鎮痛効果を見た. 3.しかし今後も痛みの治療として続けたいとする者は42%となった.悪性腫瘍末期痛患者全員脱落し,めまい・嘔気などを伴う頭部外傷後...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 18pt2; no. 9; pp. 623 - 633
Main Authors 越野, 兼太郎, 赤井, 文治, 田口, 薫, 井奥, 匡彦, 黒田, 良太郎, 渡部, 優, 金井, 信博, 最上, 平太郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本脳神経外科学会 1978
日本脳神経外科学会
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ISSN0470-8105
1349-8029
DOI10.2176/nmc.18pt2.623

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Summary:除痛手術後の遺残痛・再発痛やその他の慢性痛および悪性腫瘍末期痛など29例に対して,国産の携帯用小型personal stimulatorを用いて,経皮的末梢神経電気刺激療法を試みた. その結果,Lテスト刺激では著効より多少とも効果を認めるものまで含むと,93%の患者で有効となり,たしかに鎮痛効果は認める. 2.患者に1週間より2年10カ月にわたる期間stimulatorを貸し出して,患者自身による経皮刺激を継続して行わせたもの22例中,86%の患者で鎮痛効果を見た. 3.しかし今後も痛みの治療として続けたいとする者は42%となった.悪性腫瘍末期痛患者全員脱落し,めまい・嘔気などを伴う頭部外傷後遺症の慢性頭痛患者もほとんど脱落した. 4.本療法の実際,刺激効果,適応,限界などにつき考察した. 5.各種慢性痛患者に総合的な痛み対策の一つとして試みてよい方法と考える.
ISSN:0470-8105
1349-8029
DOI:10.2176/nmc.18pt2.623