多発性骨髄腫合併AL型心アミロイドーシスと診断後化学療法が奏功し長期間生存中の1例

症例は45歳男性. 2004年に貧血を契機に腫瘍血液内科で多発性骨髄腫 (BJP-κ型) と診断され, メルファラン・プレドニゾロン (MP) 療法を開始されていた. 2011年3月から労作時呼吸困難を認め, 増悪したため6月に循環器内科受診, 初回心不全の診断で入院となった. 心エコー上, 左室駆出率50%で左室肥大を認めた. 利尿薬の投与などで心不全は改善した. 心臓カテーテル検査にて冠動脈に有意狭窄を認めなかった. 左室心筋生検では, DFS染色でアミロイドの沈着を認め, 過マンガン酸処理でも沈着していたので, AL型心アミロイドーシスと診断した. 第13病日に退院し, その後レナリドマ...

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Published inShinzo Vol. 47; no. 5; pp. 595 - 600
Main Authors 中田, 耕太郎, 工藤, 敏和, 小武海, 公明, 福島, 啓介, 清水, 光行, 山田, 崇之, 吉村, 道博, 小菅, 玄晴, 吉田, 純, 鈴木, 健一朗, 久保田, 健之, 宮永, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2015
日本心臓財団・日本循環器学会
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.47.595

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Summary:症例は45歳男性. 2004年に貧血を契機に腫瘍血液内科で多発性骨髄腫 (BJP-κ型) と診断され, メルファラン・プレドニゾロン (MP) 療法を開始されていた. 2011年3月から労作時呼吸困難を認め, 増悪したため6月に循環器内科受診, 初回心不全の診断で入院となった. 心エコー上, 左室駆出率50%で左室肥大を認めた. 利尿薬の投与などで心不全は改善した. 心臓カテーテル検査にて冠動脈に有意狭窄を認めなかった. 左室心筋生検では, DFS染色でアミロイドの沈着を認め, 過マンガン酸処理でも沈着していたので, AL型心アミロイドーシスと診断した. 第13病日に退院し, その後レナリドマイド・デキサメタゾン (Rd) 療法に変更し, 治療を継続している. 心アミロイドーシスと診断してから3年経過した現在でも心不全の増悪なく生存している症例を経験した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.47.595