肺移植後遠隔期管理における課題
「はじめに」国内で肺移植臨床実施が開始されて15年余りが経過しており, 2015年末までに460例以上の肺移植が実施されている. これまでに本邦では経験のない遠隔期に達する移植後患者の対応をする機会が増加しつつある. 本項では, 肺移植後遠隔期管理の要点と問題点について医学的側面, 社会的側面から議論したい. 「医学的側面」「1. 慢性移植肺機能不全, chronic lung allograft dysfunction(CLAD)」国際心肺移植学会(International Society for Heart&Lung Transplantation:ISHLT)のレジストリ報告に...
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| Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 51; no. 4-5; pp. 319 - 323 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本移植学会
2016
日本移植学会 The Japan Society for Transplantation |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI | 10.11386/jst.51.4-5_319 |
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| Summary: | 「はじめに」国内で肺移植臨床実施が開始されて15年余りが経過しており, 2015年末までに460例以上の肺移植が実施されている. これまでに本邦では経験のない遠隔期に達する移植後患者の対応をする機会が増加しつつある. 本項では, 肺移植後遠隔期管理の要点と問題点について医学的側面, 社会的側面から議論したい. 「医学的側面」「1. 慢性移植肺機能不全, chronic lung allograft dysfunction(CLAD)」国際心肺移植学会(International Society for Heart&Lung Transplantation:ISHLT)のレジストリ報告によると移植後1年以上経過例の最大の死因はbronchiolitis obliterans syndrome(BOS)である. 移植後グラフト機能不全が慢性の経過で悪化する病態として最初に認識されたのは臨床的に閉塞性障害を呈するBOSであり, 慢性拒絶反応あるいは慢性移植肺機能不全の病態としてレジストリに表記されるのは今のところBOSしかない. |
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| ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI: | 10.11386/jst.51.4-5_319 |