肝移植における内科医の役割

「はじめに」 Transplant hepatologistと呼ばれる肝移植医療専門の肝臓内科医が海外では活躍しているが, 本邦ではそれに相当する内科医はほとんど存在しない. 肝移植症例の適応決定や術後の内科的管理には高い専門性を要するが, 現在は各病院の肝臓内科医がチーム医療として他科や他職種と力を合わせて診療しているのが現状である. 本稿では, 本邦の肝移植における肝臓内科医の役割の現状, アメリカの移植施設見学から明らかになった欧米との相違点, 肝移植症例から学ぶという内科医のもう一つの重要な役割について, 筆者の考えを中心に述べる. 「本邦における肝臓内科医の役割の現状」 現時点では,...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 50; no. 2-3; pp. 100 - 105
Main Author 上田, 佳秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2015
日本移植学会
The Japan Society for Transplantation
Subjects
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.50.100

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Summary:「はじめに」 Transplant hepatologistと呼ばれる肝移植医療専門の肝臓内科医が海外では活躍しているが, 本邦ではそれに相当する内科医はほとんど存在しない. 肝移植症例の適応決定や術後の内科的管理には高い専門性を要するが, 現在は各病院の肝臓内科医がチーム医療として他科や他職種と力を合わせて診療しているのが現状である. 本稿では, 本邦の肝移植における肝臓内科医の役割の現状, アメリカの移植施設見学から明らかになった欧米との相違点, 肝移植症例から学ぶという内科医のもう一つの重要な役割について, 筆者の考えを中心に述べる. 「本邦における肝臓内科医の役割の現状」 現時点では, 本邦の肝移植医療の中心は外科医であり, 大部分の肝移植施設で, 術前管理, 肝移植手術, 術後管理のほとんどを外科医が担当している. 実際の医療現場における肝臓内科医の役割は, 肝移植適応の決定, 肝移植後の内科的治療の2つが主となる.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.50.100