中分子創薬が直面する課題とその克服に向けて

近年分子量500から2000程度の中分子化合物が新たな創薬モダリティーとして注目されている. しかし, 服薬アドヒアランスの良好な経口剤としての開発成功性は極めて限定的である. In vivoで適切な薬効を示す中分子化合物を創製するには, 中分子化合物固有の課題(水溶性の低さ, 膜透過速度の遅さ, トランスポーターの基質性等)を理解し, 解決策を練る必要がある. これらの課題解決に向けてJapan Agency for Medical Research and Development (AMED)は2018年度から3年間にわたる, 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(革新的中分子...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 144; no. 5; pp. 527 - 528
Main Authors 宮地, 弘幸, 前仲, 勝実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.05.2024
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.23-00191-F

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Summary:近年分子量500から2000程度の中分子化合物が新たな創薬モダリティーとして注目されている. しかし, 服薬アドヒアランスの良好な経口剤としての開発成功性は極めて限定的である. In vivoで適切な薬効を示す中分子化合物を創製するには, 中分子化合物固有の課題(水溶性の低さ, 膜透過速度の遅さ, トランスポーターの基質性等)を理解し, 解決策を練る必要がある. これらの課題解決に向けてJapan Agency for Medical Research and Development (AMED)は2018年度から3年間にわたる, 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(革新的中分子創薬技術の開発)を実施した. 第143年会シンポジウムの講演者は, 前仲(北海道大学)を研究代表者とする, AMED中分子事業の前仲研究班員である. 本班の最終目標は中分子化合物の受動拡散を精密にシミュレーションできる技術開発であった.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.23-00191-F