国立成育医療研究センターにおける肝移植500例の成績

「I. 緒言」脳死肝移植は1963年 Starzl TE らにより胆道閉鎖症の患者に対して初めて実施された. 当初その成績は満足すべきものではなかったが, 手術手技・臓器保存方法・免疫抑制療法・周術期管理等の改善によりその成績は飛躍的に向上した. 米国では年間約400例の小児脳死肝移植が行われており, すでに確立された医療であるといえる. 本邦の死体肝移植の歴史も古く, 1964年中山らが異所性肝移植を, 1968年岩崎らが同所性肝移植を実施したと報告されている. その後, 約30年間肝移植が実施されない期間を経て, 1997年「臓器の移植に関する法律」が施行され脳死移植が可能となった. 20...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 53; no. 2-3; pp. 197 - 208
Main Authors 内田, 孟, 平田, 義弘, 福田, 晃也, 武田, 昌寛, 佐々木, 健吾, 阪本, 靖介, 笠原, 群生, 中里, 弥生, 久保田, 智美, 上遠野, 雅美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2018
日本移植学会
The Japan Society for Transplantation
Subjects
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.53.2-3_197

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Summary:「I. 緒言」脳死肝移植は1963年 Starzl TE らにより胆道閉鎖症の患者に対して初めて実施された. 当初その成績は満足すべきものではなかったが, 手術手技・臓器保存方法・免疫抑制療法・周術期管理等の改善によりその成績は飛躍的に向上した. 米国では年間約400例の小児脳死肝移植が行われており, すでに確立された医療であるといえる. 本邦の死体肝移植の歴史も古く, 1964年中山らが異所性肝移植を, 1968年岩崎らが同所性肝移植を実施したと報告されている. その後, 約30年間肝移植が実施されない期間を経て, 1997年「臓器の移植に関する法律」が施行され脳死移植が可能となった. 2010年「改正臓器移植法」により, 15歳以下の臓器提供および親族同意で臓器提供が可能となり, 近年の脳死臓器提供増加に至っている.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.53.2-3_197