小腸ストーマ造設後の 傍ストーマヘルニア発生リスク因子に関する検討
【目的】小腸ストーマ造設症例における傍ストーマヘルニア(parastomal hernia、以下PSH)の発生率とリスク因子を検討する。【方法】2015~2018年に当院で小腸ストーマを造設した症例について、腹部CT検査所見と臨床症状に基づいてPSH発生率を算出した。また、臨床情報および術前腹部CT検査で測定したPSH発症のリスク因子としては、臨床情報に加えて術前の腹部CT検査で測定した腹直筋厚、腹直筋幅、皮下脂肪厚に関して、PSH発生の有無で分けた2群間で比較することでPSH発生リスク因子を検討した。【結果】解析対象は162例(男性112例、女性50例)で、年齢中央値61歳(範囲:18-88...
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          | Published in | 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 Vol. 40; no. 2; pp. 118 - 123 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会
    
        2024
     Japanese Society of Stoma and Continence Rehabilitation  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1882-0115 2434-3056  | 
| DOI | 10.32158/jsscr.40.2_118 | 
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| Summary: | 【目的】小腸ストーマ造設症例における傍ストーマヘルニア(parastomal hernia、以下PSH)の発生率とリスク因子を検討する。【方法】2015~2018年に当院で小腸ストーマを造設した症例について、腹部CT検査所見と臨床症状に基づいてPSH発生率を算出した。また、臨床情報および術前腹部CT検査で測定したPSH発症のリスク因子としては、臨床情報に加えて術前の腹部CT検査で測定した腹直筋厚、腹直筋幅、皮下脂肪厚に関して、PSH発生の有無で分けた2群間で比較することでPSH発生リスク因子を検討した。【結果】解析対象は162例(男性112例、女性50例)で、年齢中央値61歳(範囲:18-88)、経過観察期間中央値192日(57-1,657)であった。PSHは12例(7.4%)に発生し、PSH累積発生率は0.5年で6.8%、1年で10.5%、2年で14.5%であった。PSH発生リスク因子は、高齢(p=0.045)、大腸癌(p=0.04)、高BMI(p=0.001)、厚い皮下脂肪厚(p=0.004)であった。【結語】高齢、大腸癌、高BMI、皮下脂肪厚が厚い症例は、PSH発生リスクが高いことを念頭に診療に当たるべきと思われた。本研究は後方視的な単変量解析であるが、今後、大規模な前向きかつ多変量解析が必要である。 | 
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| ISSN: | 1882-0115 2434-3056  | 
| DOI: | 10.32158/jsscr.40.2_118 |