両眼内直筋後転術を施行したMöbius症候群の一例
【緒言】Möbius症候群は、両眼外転神経麻痺と部分的もしくは完全な顔面神経麻痺を有する先天性疾患である。両眼内直筋後転術を施行したため報告する。 【症例】4ヶ月、男児。小児科でMöbius症候群を疑われ、生後4ヶ月に眼科精査目的のため紹介受診。初診時所見は、内斜視、外ひきの不良、睫毛内反、顔貌異常が見られた。MRIにて、顔面神経核は欠損しており、外直筋は内直筋より菲薄していた。これらの所見より、Möbius症候群と診断。生後6ヶ月には固視に優位が生じ、眼振が出現。生後7ヶ月で両眼内直筋後転術を施行した。術後は内斜視角が軽減し、眼振は消失した。 【考按】完全外転神経麻痺のMöbius症候群では...
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| Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 43; pp. 201 - 204 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
2014
日本視能訓練士協会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
| DOI | 10.4263/jorthoptic.043F120 |
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| Summary: | 【緒言】Möbius症候群は、両眼外転神経麻痺と部分的もしくは完全な顔面神経麻痺を有する先天性疾患である。両眼内直筋後転術を施行したため報告する。 【症例】4ヶ月、男児。小児科でMöbius症候群を疑われ、生後4ヶ月に眼科精査目的のため紹介受診。初診時所見は、内斜視、外ひきの不良、睫毛内反、顔貌異常が見られた。MRIにて、顔面神経核は欠損しており、外直筋は内直筋より菲薄していた。これらの所見より、Möbius症候群と診断。生後6ヶ月には固視に優位が生じ、眼振が出現。生後7ヶ月で両眼内直筋後転術を施行した。術後は内斜視角が軽減し、眼振は消失した。 【考按】完全外転神経麻痺のMöbius症候群では、固視眼に優位差が生じた時点での斜視手術が、非固視眼の弱視予防として有用な可能性がある。 |
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| ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
| DOI: | 10.4263/jorthoptic.043F120 |