改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムによる薬剤師教育への期待
高齢化の進展, 医療の高度化, 地域・在宅医療の拡充, 医師不足や偏在など, 現代の医療が抱える多くの課題を解決するために薬剤師の活躍が強く期待されている. しかし, 従来の薬学部教育では, 医師, 歯科医師, 看護師など, 他の医療職を育成する大学教育に比較し, こうした期待に応える薬剤師を育成するための教育内容, 教育スタッフの質・量ともに不十分であるという思いを多くの薬剤師とともに薬系大学の教員も共有していた. このような背景をもとに, 平成18年度から薬剤師の育成を明確な目的とした6年制薬学教育が開始され, 学習内容を明確に示した「薬学教育モデル・コアカリキュラム」と「実務実習モデル・...
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Published in | Journal of Pharmaceutical Science and Technology, Japan Vol. 76; no. 5; pp. 285 - 288 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬剤学会
01.09.2016
日本薬剤学会 The Academy of Pharmaceutical Science and Technology, Japan |
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ISSN | 0372-7629 2188-3149 |
DOI | 10.14843/jpstj.76.285 |
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Summary: | 高齢化の進展, 医療の高度化, 地域・在宅医療の拡充, 医師不足や偏在など, 現代の医療が抱える多くの課題を解決するために薬剤師の活躍が強く期待されている. しかし, 従来の薬学部教育では, 医師, 歯科医師, 看護師など, 他の医療職を育成する大学教育に比較し, こうした期待に応える薬剤師を育成するための教育内容, 教育スタッフの質・量ともに不十分であるという思いを多くの薬剤師とともに薬系大学の教員も共有していた. このような背景をもとに, 平成18年度から薬剤師の育成を明確な目的とした6年制薬学教育が開始され, 学習内容を明確に示した「薬学教育モデル・コアカリキュラム」と「実務実習モデル・コアカリキュラム」は, 全国の大学の薬学教育・薬剤師教育を標準化するために有用な指針となった. こうして導入されたモデル・コアカリキュラムに基づく6年制薬学教育は, 医療人として必要な基本的知識である疾患や薬物治療などの学習が拡充されるとともに, 事前学習, 薬学共用試験 (CBT, OSCE), 長期間の薬局・病院実習など, 社会のニーズに応える新時代の薬剤師を育成するための新たな学習内容と様々な学習方略が必修として組み込まれたものとなった. |
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ISSN: | 0372-7629 2188-3149 |
DOI: | 10.14843/jpstj.76.285 |