ドライプレート「DP1R」における薬剤感受性検査の有用性の検討および臨床分離株を用いた薬剤感受性調査報告

薬剤感受性検査は適切な抗菌薬治療を実施するために重要な検査であるが,栄養要求の厳しい一部の菌種ではその実施は困難な場合がある。今回我々は,Corynebacterium属,Nocardia属,迅速発育抗酸菌群(RGM)および嫌気性菌など複数の菌種についてClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)に準拠したドライプレートDP1R(栄研化学)の性能評価を多施設共同で実施した。評価方法としてATCC株を用いて5回同時測定と5日間測定の計10回測定を7施設にて実施し,各株について合計70回の測定の結果から複数施設における同時再現性と日差再現性につ...

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Published in医学検査 Vol. 73; no. 4; pp. 674 - 683
Main Authors 阿部, 教行, 大瀧, 博文, 口広, 智一, 竹川, 啓史, 山田, 幸司, 久田, 恭子, 近澤, 秀己, 仁木, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2024
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.23-107

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Summary:薬剤感受性検査は適切な抗菌薬治療を実施するために重要な検査であるが,栄養要求の厳しい一部の菌種ではその実施は困難な場合がある。今回我々は,Corynebacterium属,Nocardia属,迅速発育抗酸菌群(RGM)および嫌気性菌など複数の菌種についてClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)に準拠したドライプレートDP1R(栄研化学)の性能評価を多施設共同で実施した。評価方法としてATCC株を用いて5回同時測定と5日間測定の計10回測定を7施設にて実施し,各株について合計70回の測定の結果から複数施設における同時再現性と日差再現性について検証した。また,臨床分離株を用いた感受性調査として,Corynebacterium属38株,Nocardia属34株,RGM 67株および嫌気性菌33株について実施した。今回検証したDP1Rは,複数施設における同時再現性,日差再現性においても許容範囲内であると思われ,十分使用可能な性能を備えたプレートであることが示唆された。DP1Rは複数菌種を対象としてCLSI準拠方法で検査が実施できるため,精度保証の観点からも有用である。DP1Rを用いた新たな検査方法で実施された薬剤感受性検査の結果は,適切な抗菌薬治療の選択に大きく貢献できるものと期待される。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.23-107