屈折と外斜視

【目的】外斜視患者の屈折値分布や変化について検討する。 【対象及び方法】2007年~2011年に、群馬大学弱視斜視外来を受診した外斜視の小児208例416眼を対象とし、屈折値について検討した。年齢は3ヵ月から15歳(平均6歳5カ月)。 【結果】外斜視患者の屈折値分布は正視186眼(45%)、遠視と近視はそれぞれ115眼(27.5%)であった。不同視合併例は208例中19例(9.1%)で、そのうち9例に弱視があった。不同視弱視の9例中7例は遠視性不同視であった。斜視角が大きいほど屈折値は近視側へ推移していた。3年間経過を追えた29例のうち27例で斜視眼が一貫していた。その27例について斜視眼と固...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 42; pp. 35 - 40
Main Author 中尾, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2013
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.042S002

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Summary:【目的】外斜視患者の屈折値分布や変化について検討する。 【対象及び方法】2007年~2011年に、群馬大学弱視斜視外来を受診した外斜視の小児208例416眼を対象とし、屈折値について検討した。年齢は3ヵ月から15歳(平均6歳5カ月)。 【結果】外斜視患者の屈折値分布は正視186眼(45%)、遠視と近視はそれぞれ115眼(27.5%)であった。不同視合併例は208例中19例(9.1%)で、そのうち9例に弱視があった。不同視弱視の9例中7例は遠視性不同視であった。斜視角が大きいほど屈折値は近視側へ推移していた。3年間経過を追えた29例のうち27例で斜視眼が一貫していた。その27例について斜視眼と固視眼の屈折値の変化を比較したところ、いずれも有意な近視化を示したが、斜視眼のほうがその程度が大きかった。術後半年まで経過を追えた61例では、手術眼も非手術眼も同程度近視化した。 【結論】小児の外斜視患者208例416眼のうち、230眼(55%)に屈折異常があった。また208例中19例(9.1%)に不同視があった。良好な視機能の獲得には眼位だけでなく、屈折異常や弱視を見落とさないよう経過観察することが大切である。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.042S002