IFCCのハーモナイゼーションに対応したルミパルスプレストTSH IFCCの性能評価

甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH)は,甲状腺疾患のバセドウ病,無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎(急性期)診断の1指標(0.1 μIU/mL以下)であるとともに,周産期の管理目標値(2.5 μIU/mL未満)としても用いられ,国内および海外の学会のガイドラインに明記されている。しかしながら,TSH測定値のキット間差が問題視されており,TSH測定値のハーモナイゼーションが求められていた。今回我々はIFCCのハーモナイゼーションに対応した試薬ルミパルスプレストTSH IFCCの性能評価を行った。併行精度は1.2%,0.7%(平均値3.12,10.28...

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Published in医学検査 Vol. 71; no. 1; pp. 81 - 86
Main Authors 上杉, 里枝, 木村, 千紘, 大久保, 学, 古川, 聡子, 通山, 薫, 森永, 睦子, 岡本, 操, 河口, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2022
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.21-70

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Summary:甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH)は,甲状腺疾患のバセドウ病,無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎(急性期)診断の1指標(0.1 μIU/mL以下)であるとともに,周産期の管理目標値(2.5 μIU/mL未満)としても用いられ,国内および海外の学会のガイドラインに明記されている。しかしながら,TSH測定値のキット間差が問題視されており,TSH測定値のハーモナイゼーションが求められていた。今回我々はIFCCのハーモナイゼーションに対応した試薬ルミパルスプレストTSH IFCCの性能評価を行った。併行精度は1.2%,0.7%(平均値3.12,10.28 μIU/mL),日差再現性のCVは1.0%,1.1%(平均値3.08,10.34 μIU/mL)と良好であった。希釈直線性は176.20 μIU/mLまで原点を通る直線性を認め,定量限界は0.006 μIU/mLであった。また,従来試薬のルミパルスプレストTSHとの相関は,相関係数が0.999,線形関係式はy = 1.24x − 0.45であった。血清と血漿によるTSH濃度に有意な差は認められず,検体の保存安定性も室温で7時間,冷蔵で7日安定であった。IFCCのハーモナイゼーションに対応したルミパルスプレストTSH IFCCの分析性能は良好であり,TSH濃度の標準化に貢献できる試薬と考える。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.21-70