蚊密度調査について

「はじめに」2014年に東京都を中心としたデング熱流行では, 過去に対策にかかわった経験のある人材がほぼ不在の中, 手探りの状態で媒介蚊対策を行う必要があった. 戦後, 約70年間流行が無かったために, 国民の防蚊対策への関心が低く, 自治体による防蚊対策がほとんど整備されていなかった (沢辺, 2015). しかし, 2014年のデング熱流行は日本国民の関心を集め, 多くの自治体において媒介蚊に対する調査, 対策への機運が高まった. 世界中で人的移動の増加が見込まれる2020年東京オリンピック・パラリンピックを間近に控えた現在は, その時の知見と経験を共有し (忽那ら, 2015 ; 沢辺,...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 71; no. 2; pp. 73 - 78
Main Authors 比嘉, 由紀子, 皆川, 恵子, 前川, 芳秀, 武藤, 敦彦, 佐々木, 均, 葛西, 真治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 25.06.2020
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ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.71.73

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Summary:「はじめに」2014年に東京都を中心としたデング熱流行では, 過去に対策にかかわった経験のある人材がほぼ不在の中, 手探りの状態で媒介蚊対策を行う必要があった. 戦後, 約70年間流行が無かったために, 国民の防蚊対策への関心が低く, 自治体による防蚊対策がほとんど整備されていなかった (沢辺, 2015). しかし, 2014年のデング熱流行は日本国民の関心を集め, 多くの自治体において媒介蚊に対する調査, 対策への機運が高まった. 世界中で人的移動の増加が見込まれる2020年東京オリンピック・パラリンピックを間近に控えた現在は, その時の知見と経験を共有し (忽那ら, 2015 ; 沢辺, 2015 ; 津田, 2015), 将来起こりうるデング熱をはじめとする蚊媒介感染症の発生に備えることができるようになった. 2014年のデング熱流行対策をふまえ, 有事に備える目的で2019年9月, 新宿御苑においてデング熱媒介蚊駆除訓練が行われた.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.71.73