心肺運動負荷試験によって得られる指標とその応用について

「はじめに」心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing: CPX)は, 当初はDouglas bagを用いたmixing chamber法による運動時酸素摂取量(VO2)測定など, 運動生理学やスポーツ医学の分野を中心に発展してきた. その後, 連続呼気ガス分析装置によるbreath by breath法が普及したことにより広く行われるようになった. Wassermanらにより呼気ガス分析から嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold: AT)を求める方法が報告され, 心臓リハビリテーション(リハビリ)の運動処方決定にATが応用されてからさら...

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Published inJournal of Clinical Physiology Vol. 51; no. 5; pp. 163 - 170
Main Author 大宮, 一人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床生理学会 01.12.2021
Japanese Society of Clinical Physiology
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ISSN0286-7052
2435-1695
DOI10.34363/jocp.51.5_163

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Summary:「はじめに」心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing: CPX)は, 当初はDouglas bagを用いたmixing chamber法による運動時酸素摂取量(VO2)測定など, 運動生理学やスポーツ医学の分野を中心に発展してきた. その後, 連続呼気ガス分析装置によるbreath by breath法が普及したことにより広く行われるようになった. Wassermanらにより呼気ガス分析から嫌気性代謝閾値(anaerobic threshold: AT)を求める方法が報告され, 心臓リハビリテーション(リハビリ)の運動処方決定にATが応用されてからさらに広く行われるようになった. CPXは通常の運動負荷試験よりはやや煩雑な手技であるが, ATや最高酸素摂取量(peak VO2)をはじめとした多くの有益な指標を得ることができる. CPXの応用としてはTable 1のようなものが主であるが, 循環器や呼吸器疾患有病者のみならず, 健常例やアスリート等においても多く利用されている.
ISSN:0286-7052
2435-1695
DOI:10.34363/jocp.51.5_163