8 大分県におけるメマトイ類の2003〜2004年の採集成績およびThelazia幼虫自然感染(第54回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)

先の学会で, 2003年3月以前に, 人囮法により採集したメマトイ類の採集成績とThelazia幼虫の自然感染について発表したが, その後も調査を継続し, 新しい知見を得たので発表する. 2003年4月から2004年10月に大分県下6ヶ所においてメマトイ類を採集した. そのうちの2ヶ所では, 少なくとも月に1回の採集を行い, 季節消長を調査した. 採集数はカッパメマトイ851個体(35.8%), マダラメマトイ597個体(25.1%), オオマダラメマトイ334個体(14.0%), ツバメメマトイ311個体(13.1%), クロメマトイ286個体(12.0%), 合計2379個体であった. 2...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 56; no. 2; p. 178
Main Authors 青木, 千春, 林, 利彦, 大塚, 靖, 高岡, 宏行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 2005
Online AccessGet full text
ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.56.178_4

Cover

More Information
Summary:先の学会で, 2003年3月以前に, 人囮法により採集したメマトイ類の採集成績とThelazia幼虫の自然感染について発表したが, その後も調査を継続し, 新しい知見を得たので発表する. 2003年4月から2004年10月に大分県下6ヶ所においてメマトイ類を採集した. そのうちの2ヶ所では, 少なくとも月に1回の採集を行い, 季節消長を調査した. 採集数はカッパメマトイ851個体(35.8%), マダラメマトイ597個体(25.1%), オオマダラメマトイ334個体(14.0%), ツバメメマトイ311個体(13.1%), クロメマトイ286個体(12.0%), 合計2379個体であった. 2003年以前にはメマトイは4月から10月に採集されたが, 2004年には3月下旬から採集された. 採集したメマトイのうち2146個体を解剖し, カッパメマトイ, マダラメマトイ, オオマダラメマトイからThelazia類幼虫を検出した. 感染率はそれぞれ, 1.6%, 2.6%, 1.3%であった. 感染幼虫は, 2003年までは6月から9月に検出されたが, 2004年には4月下旬と6月から10月に検出された. また, 人体感染症例より得た東洋眼虫 Thelazia callipaeda 成虫と, カッパメマトイ, マダラメマトイ, オオマダラメマトイから見出した第3期幼虫(一部第2期幼虫)のDNAを抽出し, ITS1領域を比較した結果, 両者の配列は一致した.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.56.178_4