腹腔鏡下腎尿管摘除術のガイドライン改定:近年のエビデンスの蓄積によって何が変わったか

腹腔鏡下腎尿管摘除術は開放手術に比べて術後回復が早く,低侵襲手術として普及している.しかし,本術式では高齢者が多く,手術範囲が広いため,他の泌尿器腹腔鏡手術に比べると合併症の頻度が高いのが特徴である.特に左側ではリンパ節郭清に伴う術後乳び腹水の合併が多いので術中操作に注意を要する.low grade・low stageの腫瘍に対する制癌効果は開放手術と同等であるが,high gradeやhigh stageの腫瘍に対しては腹腔鏡手術の方が成績が劣っている報告もあり,適応は慎重に決めるべきである.到達法や下部尿管処理についてはそれぞれの長所と短所を熟知し,術者の技量や症例の特徴に従って選択するの...

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Published inJapanese Journal of Endourology Vol. 27; no. 2; pp. 247 - 250
Main Author 三股, 浩光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本泌尿器内視鏡学会 01.09.2014
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ISSN2186-1889
2187-4700
DOI10.11302/jsejje.27.247

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Summary:腹腔鏡下腎尿管摘除術は開放手術に比べて術後回復が早く,低侵襲手術として普及している.しかし,本術式では高齢者が多く,手術範囲が広いため,他の泌尿器腹腔鏡手術に比べると合併症の頻度が高いのが特徴である.特に左側ではリンパ節郭清に伴う術後乳び腹水の合併が多いので術中操作に注意を要する.low grade・low stageの腫瘍に対する制癌効果は開放手術と同等であるが,high gradeやhigh stageの腫瘍に対しては腹腔鏡手術の方が成績が劣っている報告もあり,適応は慎重に決めるべきである.到達法や下部尿管処理についてはそれぞれの長所と短所を熟知し,術者の技量や症例の特徴に従って選択するのが重要である.
ISSN:2186-1889
2187-4700
DOI:10.11302/jsejje.27.247