尿培養検体輸送用容器UriSwabの保存安定性に関する基礎的検討

尿培養検体輸送用容器であるUriSwab(コパンジャパン株式会社)の回収条件及び保存安定性に関する基礎的検討を行った。回収条件はEscherichia coli ATCC 25922株を104 CFU/mLを含有した擬似尿を使用し,遠心条件を1,000 rpmで3秒,30秒,60秒・振とう回数を1回,3回,5回とし,それぞれの条件においてスポンジより回収した尿中の生菌数を計測し,最適な回収条件を評価した。保存安定性は,E. coli ATCC 25922,Enterococcus faecalis ATCC 29212,Neisseria gonorrhoeae ATCC 49226を4℃,2...

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Published in医学検査 Vol. 70; no. 4; pp. 713 - 717
Main Authors 大沼, 健一郎, 石田, 奈美, 西田, 全子, 今西, 孝充, 楠木, まり, 小林, 沙織, 西川, 佳佑, 三枝, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2021
日本臨床衛生検査技師会
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.21-23

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Summary:尿培養検体輸送用容器であるUriSwab(コパンジャパン株式会社)の回収条件及び保存安定性に関する基礎的検討を行った。回収条件はEscherichia coli ATCC 25922株を104 CFU/mLを含有した擬似尿を使用し,遠心条件を1,000 rpmで3秒,30秒,60秒・振とう回数を1回,3回,5回とし,それぞれの条件においてスポンジより回収した尿中の生菌数を計測し,最適な回収条件を評価した。保存安定性は,E. coli ATCC 25922,Enterococcus faecalis ATCC 29212,Neisseria gonorrhoeae ATCC 49226を4℃,25℃でそれぞれ保存し,滅菌スピッツでの保存後の生菌数と比較した。回収条件はいずれの条件においても生菌数に大きな差異は認められず,生菌数のばらつきが最小であった遠心時間60秒を最適条件と設定した。保存安定性は,滅菌スピッツと比較しE. coli ATCC 25922株,E. faecalis ATCC 29212株では菌量増加を有意に抑制し(p < 0.01),N. gonorrhoeae ATCC 49226株では死滅を有意に抑制した(p < 0.01)。以上より,UriSwabは滅菌スピッツと比較し,菌量増加や死滅のリスクが少なく,尿培養検体輸送用容器として有用である可能性が示唆された。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.21-23