エピデミック通信,情報フローティングと安全・安心

従来の移動通信システムとは異なり,インフラを使用しない移動通信ネットワークとしてマルチホップ無線ネットワークがある.マルチホップ無線ネットワークでは送信元ノードと宛先ノードの間の連結なマルチホップ無線経路で通信を行う.それを更に柔軟にしたものとして,移動ノード間の直接無線通信と移動ノードの移動により情報を空間的に拡散し情報を伝えるというエピデミック通信や,直接無線通信を特定領域だけで許可することにより無秩序な情報拡散を防ぎながら特定の領域の不特定のノードに情報を伝えるという情報フローティングがある.これらのように,移動体同士の情報交換と移動により情報を伝えることができるという性質を生かした手法...

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Published inDenshi Jouhou Tsuushin Gakkai Kiso, Kyoukai Sosaieti fundamentals review Vol. 10; no. 4; pp. 282 - 292
Main Author 中野, 敬介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 一般社団法人 電子情報通信学会 2017
Japan Science and Technology Agency
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ISSN1882-0875
DOI10.1587/essfr.10.4_282

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Summary:従来の移動通信システムとは異なり,インフラを使用しない移動通信ネットワークとしてマルチホップ無線ネットワークがある.マルチホップ無線ネットワークでは送信元ノードと宛先ノードの間の連結なマルチホップ無線経路で通信を行う.それを更に柔軟にしたものとして,移動ノード間の直接無線通信と移動ノードの移動により情報を空間的に拡散し情報を伝えるというエピデミック通信や,直接無線通信を特定領域だけで許可することにより無秩序な情報拡散を防ぎながら特定の領域の不特定のノードに情報を伝えるという情報フローティングがある.これらのように,移動体同士の情報交換と移動により情報を伝えることができるという性質を生かした手法が注目されている.本論文ではエピデミック通信,情報フローティングとその安全・安心への応用について,安全・安心への応用における移動ノードの特徴的な移動との関係に着目しながら解説する.また,情報フローティングによる情報配信がノードの行動変化を促し,この行動変化により情報フローティング自体も影響を受けること等に着目して,新たな観点から行われている情報フローティングの研究について解説する.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:1882-0875
DOI:10.1587/essfr.10.4_282