音高弁別能力を評価するための新しい検査法の開発

「はじめに」:脳と音高弁別能力との関連について, いくつかの研究がある. 2つの音を聴いて, どちらの音の方が高いかを弁別する能力(pitch direction discrimination, PDirD)は, 右脳の聴覚皮質によって制御される. 一方, 2つの音高が同じか異なるかを弁別する能力(pitch difference discrimination, PDiffD)には, 聴覚皮質は関与しないとされる. 難聴者の音高弁別能力を調べた研究は少ない. 感音難聴では弁別能が低下すると報告されているが, その研究は事前に検査の練習を十分に行った後の検討であり, 日常診療で行えるものではない...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 119; no. 8; pp. 1171 - 1172
Main Authors 一宮, 弘子, 一宮, 一成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2016
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.119.1171

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Summary:「はじめに」:脳と音高弁別能力との関連について, いくつかの研究がある. 2つの音を聴いて, どちらの音の方が高いかを弁別する能力(pitch direction discrimination, PDirD)は, 右脳の聴覚皮質によって制御される. 一方, 2つの音高が同じか異なるかを弁別する能力(pitch difference discrimination, PDiffD)には, 聴覚皮質は関与しないとされる. 難聴者の音高弁別能力を調べた研究は少ない. 感音難聴では弁別能が低下すると報告されているが, その研究は事前に検査の練習を十分に行った後の検討であり, 日常診療で行えるものではない. そこでわれわれは外来でも可能な, 音高弁別能力を評価する検査法を開発した. 「対象と方法」:聴力正常のボランティア20人40耳に対して3つの検査を施行した. なお, いずれの検査も事前の練習なしに行った.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.119.1171